部分入れ歯と総入れ歯の違いについて

入れ歯は、大きく「部分入れ歯」と「総入れ歯」に分けられます。
部分入れ歯は、まだ健康な歯が残っている場合に使うもので、残っている歯に金属のバネをかけて固定します。
一方、総入れ歯はすべての歯を失った方に使う入れ歯で、歯ぐきの上に吸着させて使用します。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、現在の歯の状態や将来的な口腔環境も踏まえて選択することが大切です。
当院では、しっかりとお話を伺ったうえで、患者様に合った治療法をご提案いたします。

自分に合った入れ歯を作るために大切なポイントとは

入れ歯は、失った歯の機能を補い、噛む・話す・笑うといった日常の動作を支えてくれる大切な存在です。
しかし、せっかく作った入れ歯が「噛みにくい」「外れやすい」「痛みがある」と感じると、使うこと自体が負担になってしまいます。
こうした違和感や不具合を減らし、快適に使い続けるためには、いくつかの大切な要素があります。
まず重要なのは、バランスの良い噛み合わせです。
見た目がきれいに仕上がっていても、上下の歯の噛み合わせが適切でなければ、入れ歯が動いてしまい、痛みや外れの原因になります。
顎の動きや噛む力のかかり方まで考慮して調整することで、安定した噛み心地が得られます。
次に大切なのが、正確な型取りです。
入れ歯は歯ぐきにしっかりと合っていることが基本ですが、そのためには歯ぐきの形だけでなく、舌や頬の動き、筋肉の緊張まで把握して型を取る必要があります。
型取りの精度が、そのまま入れ歯の使いやすさに直結するといっても過言ではありません。
こうしたポイントを踏まえて、歯科医師としっかり相談しながら入れ歯を作ることで、自分に合った快適な入れ歯生活につながります。

入れ歯が合わないと感じたときの主な原因と対処法

あごの骨が痩せてしまった場合

歯を失うと、その部分のあごの骨は次第に吸収されて痩せていきます。
特に高齢の方や糖尿病などの全身疾患をお持ちの方は、骨の新陳代謝が乱れやすく、骨が痩せるスピードが速くなる傾向があります。
骨が減ると、入れ歯と歯ぐきの間に隙間ができ、外れやすくなったり痛みが出たりします。
このような場合には、入れ歯をお口の現状に合わせて再調整する必要があります。
状況によっては、あらためて新しい入れ歯を作り直すことで、快適な装着感を取り戻すことができます。

入れ歯の人工歯が摩耗してしまった場合

長年使用している入れ歯は、毎日の食事によって少しずつ摩耗しています。特に人工歯の部分がすり減ってくると、噛み合わせがずれ、違和感や咀嚼の不具合につながります。
違和感を軽減するには、入れ歯の高さや噛み心地を丁寧に調整していくことが大切です。
「最近うまく噛めない」「入れ歯が合わなくなってきた気がする」と感じたときは、無理に使い続けず、一度ご相談ください。

汚れの付着や変形による場合

入れ歯のお手入れが不十分だと、表面に歯垢や歯石がつき、床と呼ばれる部分が変形することがあります。
さらに、プラーク内の細菌が素材を変質させてしまい、変形や不快感につながることもあります。
こうしたときは、まず入れ歯の汚れをしっかり落とし、毎日清潔に保つことが基本になります。
入れ歯専用のブラシや洗浄剤を使い、毎日しっかりとお手入れを行いましょう。
ただし、力を入れてゴシゴシこすると破損の原因にもなるため、やさしく扱うようにしてください。

保険と自費の入れ歯の違いと選び方について

入れ歯には、健康保険が適用されるものと、自費で作るものがあります。
保険の入れ歯は一定の制約の中で作られるため、使われる材料や仕上がりに限界があります。
一方、自費の入れ歯は素材の選択肢が広く、見た目の美しさや装着感の良さを追求できます。
「どちらが自分に合っているのか」は、費用面だけでなく、見た目や使い心地、耐久性など、さまざまな観点から検討することが大切です。
当院では、両方のメリット・デメリットを丁寧にご説明し、納得いただいたうえで選んでいただけるようにしています。

入れ歯を快適に使い続けるためのメンテナンス方法

入れ歯は一度作れば終わりではありません。
長く快適に使い続けるためには、日々のお手入れと定期的なチェックが必要です。
日常的には、専用のブラシで優しく洗い、就寝時には専用の洗浄剤に浸けることで、清潔な状態を保てます。
また、歯ぐきや残っている歯の状態に変化があると、入れ歯のフィット感にも影響が出てくるため、定期的な受診をおすすめします。
少しでも違和感があれば我慢せずにご相談ください。
早めの調整で、入れ歯によるトラブルを未然に防ぐことができます。