マウスピースはどんなときに使う？目的別の活用シーンについて

マウスピースは、主に歯ぎしりや食いしばり、顎関節症、そしてスポーツ時の衝撃から歯やお口を守るために使われます。
目的によって適したタイプが異なるため、自分の症状や生活習慣に合ったものを選ぶことが大切です。
たとえば、就寝中の歯ぎしりや食いしばりが気になる方には「ナイトガード」と呼ばれるマウスピースを使用します。
夜間の無意識な動きから歯や顎を守り、歯のすり減りや顎関節への負担を軽減することができます。
顎の痛みや開閉時の違和感といった、顎関節症の症状がある方にも有効です。
一方、ラグビーやボクシングなどのスポーツをされている方には「スポーツ用マウスピース（スポーツマウスガード）」がおすすめです。
衝突や転倒による歯の破折、口の中のケガを防ぐための保護具であり、安全性の向上に役立ちます。

スポーツ用マウスピースで口腔内のケガを予防しましょう

スポーツの場面では、転倒や衝突によって思わぬケガをすることがあります。
特にコンタクトスポーツや球技では、歯の破折や唇・舌の裂傷、顎の骨折といった外傷のリスクが高まります。
こうしたトラブルを未然に防ぐために有効なのが、スポーツ用マウスピースの装着です。
スポーツ用マウスピースは、口腔内全体をやわらかい素材で覆い、外部からの衝撃を吸収・分散するように設計されています。
歯を守るだけでなく、顎の骨や口周辺の筋肉・関節にもかかるダメージを軽減することができるため、安全性の向上に大きく寄与します。
また、歯の接触による脳への振動を緩和する効果も期待されており、競技中の安心感にもつながります。

オーダーメイドのマウスピースで快適なフィット感を実現

マウスピースを使う上で重要なのは、「しっかりとお口に合っていること」です。
当院では、精密な型取りと噛み合わせの調整により、一人ひとりに合わせたマウスピースをお作りしています。
市販の製品では得られない高いフィット感があり、ズレや違和感を防ぐことができます。
ナイトガードは就寝中に使うため、わずかなズレでもストレスになりかねません。
スポーツ用でも、競技や年齢に合わせた設計ができるので、安全性にもつながります。
快適さを保ちながら長くご使用いただくためにも、当院ではオーダーメイドでの作製をご提案しています。

マウスピース作製の流れと通院回数の目安について

マウスピースを作る際は、初診から装着まで2〜3回程度の通院が目安です。

• STEP
  01

  カウンセリング

  まずはカウンセリングを行い、使用目的（ナイトガード／スポーツ用など）や生活習慣、競技の種類などを詳しく伺います。
  お口の中に虫歯や歯周病がある場合は、先に治療を済ませてから作製に進むのが一般的です。
  健康な状態で作ることで、装着時の違和感を防ぐことができます。

  

• STEP
  02

  歯型の採取とマウスピース作製

  お口の状態に問題がなければ、歯型を採って作製に入ります。
  印象材を使って歯列全体の型をとり、それをもとに専用のマウスピースを作製します。
  型取りは短時間で終わり、被せ物治療と似た流れで行われます。

  

• STEP
  03

  完成後の装着と調整

  完成したマウスピースは、実際に装着したうえで微調整を行います。
  フィット感や噛み合わせ、発音のしやすさなどを丁寧に確認し、必要があればその場で調整します。
  お子様の場合は成長にともなって歯並びが変化するため、定期的な作り替えが必要になることもあります。
  装着後に違和感があるときは、我慢せず当院までご相談ください。

  

長く快適に使うために大切なお手入れ方法と保管のコツ

マウスピースを清潔に保つことは、口腔トラブルを防ぐうえでも非常に大切です。
とくに運動後のマウスガードや、毎晩使用するナイトガードは、唾液や汗、食べかすなどの汚れが付着しており、そのまま放置すると細菌の温床となってしまいます。
使用後は必ず流水でよくすすぎ、やわらかい歯ブラシで丁寧に汚れを落とすようにしてください。
また、注意したいのが、熱による変形です。
マウスピースは熱に弱いため、熱湯消毒や直射日光にさらすことは避けましょう。
とくに夏場の車内などは非常に高温になるため、保管場所にも気を配るようにしてください。